dancemode’s blog

身体と向き合う毎日を発信します✨

経験からの言葉

現在、病院で8割の方が亡くなっていると言います。病院で亡くなるのが当たり前という感じ。

 

自宅で死にたいと私の母は言っていたので

母の最期は自宅という選択しかなく

母を自宅で看取ることに迷いはありませんでした。

病院の受け持ち看護師もソーシャルワーカー

医師も皆で母の希望を考えてくれて

本当に感謝しているし

後悔もありません。

 

訪問診療と訪問看護が増えてきているので

自宅で亡くなることが選択肢の一つに

なってきています。

 

私の勤める病院でも

癌の末期で終末期のご意向を確認させて

いただくことがあります。

 

去年の夏ごろ、バリアフリーの自宅を建てるから

そこに連れて行って、皆でご飯を食べたいと

ご家族が望まれる患者さんがいました。

そのご家族に自宅で最期を迎えるという選択を

提示しましたが、難しいと

そのときは言われました。

 

患者さんは認知症

認知機能も低下して

歩いていたのが車イスになり

誤嚥性の肺炎を繰り返し

寝たきりになり

癌の進行もあって腹水も溜まり

徐々に死に近づいていきます。

 

数日前、輸液量を減らさなければ

本人の負担になっていると

報告の連絡を家族にしたところ

私が自宅で最期をと言っていたことを

思い出し

家が建って

もう住んでいるから

自宅退院を考えたいと言われました。

 

眠る時間が長くなる患者さん

排尿も少なく、間隔が開き

呼吸も苦しそう

爪の色も紫で手足が冷たい···

 

そんな患者さんも

家族の声を聞くと

息がスーッと楽になって

目を覚まし

笑顔になり

「帰る」と言う言葉まで出てきて···

 

家族の愛の力のなんと大きなことか

目に見えない力が働いているという

気がしてなりません。

働いているという確信さえあります。

 

トントン拍子に退院の手はずが整います。

 

普段聞き慣れた声

家族の温もり

 

頑張って良かったねと

こちらまで幸せな気持ちになります。

きっと家族を大事にしてきた方なのです。

良いことを沢山してきた人なのです。

うんと愛情を家族に注いできた人なのです。

 

良かった、嬉しいと職員も喜ぶのです。

 

定年間近の介護福祉士さんが

長くこの仕事をしているけど

こんなに幸せな退院は初めてと言っていました。

 

本当に嬉しくて

ちょっとHigh

 

母を看取った経験を伝えられて

役に立ったと言うか

良い看護をしたと言うか

やりがいを感じたと言うか····

 

満たされました。

 

明日、自宅に退院されます。

おめでとうございます。

心から。

感謝。