dancemode’s blog

身体と向き合う毎日を発信します✨

闘病~気力の威力~

母が入院しました。5年前の私の誕生日に悪性胸水が貯まって肺癌の診断がつきました。胸膜癒着術、気管支鏡での生検、抗ガン剤の治療、副作用との闘いで入院と退院を繰り返す生活が長い間続いています。

 

何もしなければ、2~3ヶ月の命と言われていたのに、5年間の治療を受けれたこと、支えてくださった方々には本当に感謝しています。肺癌治療のガイドラインを全て行い、次に使う薬が手探りの状態。私が看護師になった頃の抗ガン剤治療はとても苦しいもので、副作用がとても強かったのですが、今は、お薬が改良され、肺癌の患者さんが多いこともあり研究も進み、治療の選択肢も増えています。外来で抗ガン剤治療ができるのも凄いですし、内服があるというのも、クリーンルームじゃなくて良いのも凄いです。白血球を増やす注射も効果が高いです。医療の進歩は素晴らしいと感じずにはいれません。

 

でも、長い間治療を頑張っていた流石の母もここ最近食欲が落ちて体重もみるみる減ってしまい痩せっぽっちに。それでも弱味を見せないですし、楽観的で感じないのか解りませんが、生きると信じて治療に挑むのです。もう頑張ったと皆で言っているのですが、全然死ぬ気がしない、長生きすると言うのです。凄い。

 

腰が痛くて起き上がれなかったり、フラフラして風に吹き飛ばされそうな身体。見ていても心配。もうダメと思う日もあるようですが頑張っています。自分の人生を振り替える時間もあるようです。お布団に入って休むときに、今まで感じたことのない幸せを感じたり、専業主婦で苦労してないから試練を与えられてると悟ったり、毎日何かを考えているようです。

 

母は、父と弟に食事の準備をするのが仕事なのです。皆、無理をしなくていい、休んでいいと言うのに、お料理を頑張っています。今できることを淡々とこなす。前向きに受け止める。ちょっと自分も母の血を引いていると感じています。でも、自分だったら同じように治療出来るか、笑顔でいられるか解りません。

 

病院で患者さんを看取ったときのこと。急変した患者さんの横で医師が家族に病状説明をしたのです。あと数時間しかもたないと。患者さんは、それまで強い口調で頑張っていたのに、医師の説明を聞いた途端、ショックを受けた驚いた表情をしたあと閉眼しそのまま息を引き取りました。気力を失ったのです。患者本人に病名や余命を告知するのが今はスタンダードですが、私の母の主治医は、本人の希望を失わせないために、末期であることも余命も知らせていません。月日を経過することで自然に悟るのですから。そのお陰か、母は医師を信じ、自分の生命力を信じて頑張れているのです。人の寿命なんて誰にも解りようがないのです。

 

病は気からとか気の持ちようとか信じるものは救われるとか言いますが、本当だなと思います。

 

母の今回の入院は新薬での治療のためでした。入院前日に転倒して骨折したため、骨折の手術が優先となり、今回の入院は、抗ガン剤治療が延期になりました。母は残念とか悔しいといった気持ちでしょう。歩けなくなったらと不安でいっぱいかもしれません。

 

家族は、見守り続けるしかありません。母の気力を信じて・・・。

 

命を全う出来ますように・・・。