子供の頃から父親に「自立しなさい」と言われて育ってきました。ほぼ洗脳です。気が弱くて甘えん坊だった私も自然と校訓が「自律 勤労 礼儀」という学校を選択し、女性でも一人で食べていける職、看護師を選択しました。
当時は、キツい、汚い、給料安いの3Kの看護師。スチュワーデスや教師などを想像していた父には猛反対されました。しかも、大学に行かずに高校を卒業して2年看護学校に行けば正看護師になれる最短コースを選択したので、一般教養を捨てた私の選択を理解して貰えませんでした。気が短い、すぐ結果を出したい、待てない傾向は昔からだったのかな。
看護師になりたての頃は、世の中の仕組みや世間知らずだった私には救命救急の現場は壮絶でした。交通事故、自殺未遂、全身熱傷など何でもありの現場です。患者だけでなく家族のケアも必要。完全にキャパオーバー。理想と現実のギャップへの戸惑い、重すぎるドラマ・・。何度も辞めたい、死にたい、私には出来ないと思ったし、実際に3ヶ月ほど寝込んで体重も10㎏減り、本当に死にそうになりました。親も元気だったので帰るとこがあったから助かったものの、あのとき帰るところがなかったら、今、私はいなかったと思います。
でも、あの経験があるから健康に対する意識が上がり、ダンスで心身共に鍛えられ、今では少々のことが起きても動じなくなりました。母を自宅で看取ることが出来たのも看護師になったからだと思います。
色々な経験が活かされ、物事を俯瞰して見ることができ、解決出来ることが増えました。まさに目標としていた自立、いえ、自律女子に近づいています。看護師になって良かった、看護師はやっぱり素晴らしい仕事だと心から思えています。
大変な世の中だけど、目の前のことに一つ一つ向き合って、自分の人生を充実させたいと思います。これまで出会った方々に感謝し、これから出会う人達のことを楽しみにしています。