dancemode’s blog

身体と向き合う毎日を発信します✨

足の上に胸郭を乗せる

ボールルームダンスのスタンダードを最初に教わったとき、女性のポジションは左足の上とか顔を左にとか漠然とした立ち位置を伝えられます。今、思い出すと正しいことは正しいけど、根拠が伝わらずやみくもに手探り感覚で、考えることもせず言われた通りに踊っていました。ダンスを始めた当時、何が正しくて誰が上手でどんな踊りをすれば良いかなど分かりませんでした。先生が言うから正しいのだろうと素直にしたがっていただけだからです。でも、感動するダンサーに触れる度にダンサーは自分の身体に向き合う必要があるのだとか解剖の勉強が必要だとか音楽も物理も運動学も芸術性も・・・などなど沢山の要素が必要であることが解ってきます。学べば学ぶほど自分の中で確立されてきます。更に、自分の個性を活かすにはどうしたら良いかなども考えてプロデュースするようになりました。

 

私は人間の身体の仕組みを活かして、無理せず自然にパワーを生み出せる踊り、身体のパーツ一つ一つを大切にしたいです。目線、指先、心の中までこだわりたいと思うようになったのです。ダンスは一曲が大体3分くらい。感動で胸が踊る、締め付けられる、涙がでるほどのパフォーマンスをするダンサーはもはや存在だけで人を惹き付け、3分の中に沢山のドラマ、感情、メッセージを込めて訴えかけるのです。そのようなパフォーマンスをするには、まず身体を理解し正しく使うことが出来ていなければダメなのです。

 

まず、身体を美しく保ち、重心を丁寧に移動して歩く。スタンダードは男性と女性が向き合ったり並んだりしてフレームを作って踊って行きます。お互いの動きが融合するには各々が各々の役割を果たす必要があります。正しく歩くことです。相手がいるからこそダイナミックな動きが出来ます。1歩足を出すときに膝下から、股関節から下を脚と考えるのではなく、もっと上の方を脚にする。股関節の上に胸郭を乗せる。出した足の方に軸を作り、足、膝、股関節、ヒップ、肋骨、胸、頭を積み上げるのです。美しいラインが生み出せる黄金の法則です。

 

人間の身体もダンスのルールも上手く出来ているのです。改めて。