dancemode’s blog

身体と向き合う毎日を発信します✨

奇跡

信じるものは救われるってよく耳にしていました。

 

私が看護学校で授業を受けたのは

何十年も前のことだけど

看護師ってこんなにキラキラ出来るんだと

思わせてくれた一人の女性がいます。

臨時で講師として学校に来てくれて

当時まだ始まったばかりの

訪問看護をされている方でした。

 

 

脳死の患者さんが自宅で生活している所に

訪問看護に行っていたときのお話をしてくれました。

 

当時、脳死の状態だと

目が覚めることはないと言われていました。

今でもそんなに変わらないと思いますが。

その女性講師が

入浴に細胞を活性化させる効果があり

毎日湯船につけると

きっと目が覚めるという仮説が閃き

毎日、点数が取れるわけではない入浴介助を

数年続けたというのです。

 

今でこそ入浴の効果は色々立証されていますが

当時は奇跡でも起きない限り

脳死の人が入浴で目が覚めることはないと

誰もが思っていたそうです。

彼女と彼女を支持するチームが

入浴の効果を確信し

目が覚めることを信じ

何年も毎日入浴介助をするということは

想像しただけでもパワーのいることです。

全く自分の意思で身体を動かせない人を

自宅の浴槽につける

どれだけ大変か。

今は抱えずに人を移動できるローラースライダーがあるから 負担は減ってるけれど

当時は何人もの人力が必要だったはず。

 

何年経ったころか忘れたけど

脳死の人が目を覚ましたそうです。

おそらく 皆でその人に声をかけ続け

愛情もって身体に触れ

皆の生きるエネルギーが少しずつ

その人に伝わったのだと思います。

入浴というのは

手段に過ぎず

信じて続けること

これが奇跡を起こしたのだと思います。

 

もちろん、科学では証明出来ません。

この話を学生にキラキラした瞳で

語る彼女を私は忘れることはありません。

看護師は素晴らしい仕事だ、

看護師の道を選んで良かったと

初めて思った授業でした。

 

こういった奇跡は

長く人の命に関わっていると

本当に起きるというのとを感じます。

 

精一杯

誠実に

信念をもって

看護をしていきたいと思います。